大阪のおかわりさんが教えてくれた文章がすごいので、
もっと多くの人に読んでほしくて紹介します!
おめでたい日で、仕事も休み。
朝からテレビ流しながら本を読んでいます。
その中にゴー宣道場に参加されている方ならおもしろく思ってもらえそうな文章があったので、少し長くなりますがこっそり転載します。
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何にしても、二十九歳のお妃というのもめでたい。女性が仕事に志したなら、まず基礎がためだけで、そのくらいの年齢に達する。皇太子さまは、小和田さんのキャリアを十分みとめ、尊重され、その積み重ねが皇室にとってもプラスであることをご存じだったのだろう。そういえば、皇室は、文化芸術であれ、スポーツであれ、福祉であれ、外交であれ、およそ社会万般にかかわられるプロでもあられるので、これから皇室に入られる女性は、欲をいえば何らかの仕事におけるキャリア・ウーマンでいらっしゃるのが望ましい。
その辺の機敏を皇室と皇太子さまは疾う(とう)に洞察していられたのかもしれない。皇室は保守伝統の総本山のようではあるが、実はとても感覚はあたらしく、時代に沿っての身ごなしはしなやかでいられる印象である。
それにくらべれば庶民大衆のほうが、ずっとあたまが古いのではないか。お二人の記者会見を拝見していて、(何だ何だ、これはっ)と思ったのは、<お子さまは?>などという質問。また、<お料理とか花嫁修業は?>なんて、どっちでもいいじゃないか、一国を代表するスーパーレディと、やがては象徴となられる“日本の顔”に対して何という古臭い質問だろう、(貴りえクラスの質問じゃないか)と思ってしまった。
みるからに聡明で大器、それでいて近代的青年でいられる皇太子さまと、俊敏な知性あふれる小和田雅子さんには、これからの皇室のありかた、若い世代への期待、日本の役割など、いくらでも聞くべきことがあるはず、私としてもイジメから全力で守ります、といわれるよりも、これからこういうことを二人でもって全力で建設します、というお言葉が聞きたいのであった。
――なんにしろ、皇太子さまは新しい世紀へ向けて男と女のありかた、ナンデ人は結婚するのか?という設問に身を以て(もって)示唆を与えられたような気が、私にはしている。小和田雅子さんが入られて、これで皇室に入られた民間出身の女性がまたひとり増えられたわけだが、国際化時代の真っただ中にあって、皇室はかわってゆくであろう。また変貌を遂げればこそ、千数百年続かれたのであるから。
大衆も変わってゆかねばならない。
(田辺聖子 おめでとう キャリアウーマンのお妃さま「文藝春秋」1993年3月号)
まさに先日の道場で言っていたのと同じ、「皇室は変わってきたから続いてきた」という本質を、26年前に見抜いていたわけです。
そう考えると、その後の雅子妃バッシングがなんと頑迷固陋で遅れた感覚であったことか。
大衆も変わってゆかねばならない!